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By arlune2019年8月1日In 自己紹介

スーパー全盲さいちちゃん、鍼灸マッサージ師としての道のり

皆様こんにちは!アルルネ鍼灸治療サロンでございます。

先週に引き続き、当サロンの施術者「さいち」の施術者歴について書きます。

2011年3月に、はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師の3つの国家免許を取得した後、鍼灸マッサージ師として初めて入社したのは、埼玉県所沢市にある、S治療院でした。

週3ペースでクリニックに通い、1回4時間もかかる人工透析治療をしなければならなかったので、時間に制限があり、色々な職場に面接に行ったもののなかなか思うように勤務できる場所に出会えなかったのですが、面接を受けては落ちる、という日々を3ヶ月ほど続けている中、たまたま面接に行ったS治療院の院長先生が偶然にも、私と全く同じく、1型糖尿病で人工透析治療も受けているスーパー全盲だったので、面接を受けたその場で、採用を決めてくれました。
これは本当に、ただただラッキーでした!

本拠地として治療院を構えながら、メインとしては所沢市内やその周辺地域にお住まいの高齢者の患者様のご自宅に訪問し、鍼とマッサージ治療をさせて頂く、というような内容でした。
治療院にお越しになる患者様を治療させて頂く事もあれば、ドライバーさんが運転する車に乗り、所沢市、入間市、狭山市、東村山市あたりを1日かけてぐるぐる回り、患者様の治療をさせて頂いたりもしました。

脳梗塞の予後による片麻痺の患者様の機能回復訓練をさせて頂いたり、足が不自由で長い間車椅子で生活をされていて1人で身軽に治療院に行くには困難な患者様、心臓病で脚全体がパンパンにむくんで歩くのが辛い高齢者の患者様など、学生時代には想像できていなかった患者様のケースを知ったり、盲学校で勉強しただけで実際の現状を把握しきれていなかった患者様とふれあう事で、毎日の経験がとても勉強になりました。

週6日勤務しながら、週3ペースで人工透析に通うという生活を続けている中、私は新宿のコウ鍼灸治療院の院長で、「美容鍼のパイオニア」と呼ばれている堀口三恵子先生に出会い、マンツーマンで美容鍼を習い始めました。

今まで美容鍼にそこまで興味があったわけではなく、いつか自分が治療院を構えて患者様を治療するとしたら、何か1つ「武器」となるような特別な技術を得なければいけないと考え、様々な技術セミナーに参加しまくっていた中の1つの門でしかなかったのですが、堀口先生とマンツーマンでの講義中、先生から言われた一言で、私は堀口先生からもっと美容鍼・美容について学びたいと思うようになりました。

堀「鍼は魔法じゃないのよ。
さいちさんは、何でもかんでも、鍼で治そうとし過ぎている。

最小限の治療で、最大の効果を出しなさい。」

以降、私のモットーは、『最小限の治療で、最大の効果を』となりました。

堀口先生は、さらに私にこのように言いました。

堀「自分の治療院に来た患者様全員を、何でもかんでも自分が治そうとするのも違う。
この患者様の症状は、自分よりももっと上手に治せるセラピストが他にいると思い付いたなら、そのセラピストの事をこの患者様に紹介してあげなければならない。
自分が治療を中止してでも、患者様に1番合う治療院やセラピストにつなげてあげるのも治療の1つだし、それが本当によいセラピストだと思う。」

堀「例えば37kgくらいの痩せ細った女性が、『首のシワを取ってほしい。』というご希望で、美容鍼をお願いしてきたとして、

この女性は首のシワを取る前にまず、食べて太る、という事をしなければ、美容鍼をしても、首のシワが薄くなるまでには至らないと思う。

美容面におけるお悩みの原因が、患者様本人が正しい食事をできていない事や栄養の偏りによるものなら、すぐに美容鍼に取り掛かるのではなく、まず患者様本人が自分で改善できる事をアドバイスしなければいけない。

鍼までに辿り着かなくても、患者様本人の生活の見直しで症状がよくなるケースはいくらでもある。」

私は学生時代、特に解剖学が苦手で、筋肉や神経の名前・場所を覚えるのが本当に苦手で苦手で、解剖学が心の底から嫌いでした。
定期試験は解剖学だけはいつも赤点でした…。

ところが、堀口先生から美容鍼を教わると、体のこの部分になぜこの筋肉があるのか、この部位に筋肉がある事で人間はどのような働きができるのか、この筋肉を酷使し機能低下を起こした末に顔面にどのような変化をもたらしてしまうのかなどが猛スピードで理解できるようになり、今まで感じていた嫌悪感が嘘のように、解剖学の大切さと面白さを感じる事ができたのです。

勤務していたS治療院の患者様のほとんどは高齢者の方々で、施術中に私が、「健康のためにやっぱり歩かないとね。」なんてアドバイスをすると、高齢者の患者様からは、
「分かっているんだけどねぇ。」と言われたきり、私のアドバイスに素直に従うわけでもなくスルーされて終わってしまう、という事が度々ありました。

ところが、美容鍼を習い始めてから、ある日、いつも歩く事を面倒がっている高齢女性の患者様に、
「足首が硬い人は、オデコに横シワができるんですよ。オデコの横シワを薄くするには、足首を柔らかくする必要があるんです。」
とお伝えしたところ、この患者様はとてもビックリされていましたが、実際にオデコの横シワが普段から気になっていらっしゃったとの事で、それから自ら心がけて少しずつ歩く事を意識するようになったのです。

この時私は、美容面における悩みを解決していく事で、患者様が自分の体と向き合い、生活の見直しを自ら率先して下さって、結果的に健康面と美容面のどちらも向上できるようになる事に気付きました。

そして、70代になっても80代になっても女性はいつまでも、美容面を気にかけていて、健康面のみでのケアでは「しなければならない」という義務感に縛られてしまうのに対し、美容面も兼ねてのケアであれば「したい」という前向きな気持ちでセルフケアに励む事ができる、という事を、このS治療院で高齢者の患者様たちを施術させて頂く事を通じて知る事ができました。

主に保険診療で美容鍼とは全く分野外の職場だったのですが、このS治療院で高齢者の患者様たちと出会えた事こそが、私が美容鍼・美容矯正をさらに学んでいきたいと思えるようになった大きなキッカケとなりました。

次回、『スーパー全盲さいちちゃん、ただの全盲に戻る』をお送りします。
「スーパー」から「ただの」に戻るとは、一体どういう事なのでしょうか?

次回をお楽しみに★

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