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By arlune2020年2月24日In ブログ

睡眠セミナー第2回 「家族と睡眠」

皆様こんにちは!
アルルネ鍼灸治療サロンでございます。

さて本日は、代々木上原「パワースリープ」の睡眠カウンセラー須賀菜穂子先生に、「睡眠」について色々と教えて頂きましたインタビューの第2回です。

当サロンにお越しになるお客様にまつわる「睡眠」における様々なトピックを取り上げて、須賀先生に質問してみました。

今回の第2回は、お子様や旦那様などのご家族の方々にもためになる睡眠のお話です。

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(3)お子様へ

さいち:最近は小学校受験、中学校受験など、幼稚園児も小学生も私立小学・私立中学の受験のために勉強をしている子供が多く、ひと昔前よりも子供の平均睡眠時間が減っているのではないかと、私個人的には予想しているのですが、実際はいかがでしょうか?また、成長期の子供の理想睡眠時間ってありますか?そして、子供が勉強・学習するにあたり、脳が活発に働きやすくなるような効率的な睡眠スタイルがあれば、教えて下さい。

須賀:

 現在、日本では不登校の児童・生徒数は、小学校で約2.8万人、中学校で約9.8万人にのぼります。中学校では、クラスに1人は不登校というぐらい、不登校が大きな社会問題です。不登校になるこどもは、睡眠や生体リズムで改善すべき課題が多く、実際に、不登校の児童・生徒の1/3は概日リズム障害という睡眠の問題を抱えています。

 概日リズム障害は、決まった時間になっても寝れない、起きれないという睡眠の病気の1つです。この睡眠の問題の過程を振り返えると、じつは幼児期から夜型であった、ゲームやスマホが大好きで長時間熱中するようになった、塾や部活動で忙しく十分な睡眠時間が確保できなくなった、などがあげられます。

 睡眠は個人差が存在するため、一律に「何時から何時まで寝るのが良い」というのは間違いです。統計的にみると、年代別の睡眠時間は、平均睡眠時間±1時間に入るのが約70%で、±2時間は約5%です。もし自分の周りに「極端な短時間睡眠でも大丈夫!」という人がいたら、もしかしたら本人がそう信じているだけで、体は不調のシグナルを発しているのに気づいていないだけかもしれません。

 ご参考までに、アメリカ国立睡眠財団(2015)が、年代別の「望ましい睡眠時間」を公表しています。

【 年齢別睡眠時間 】

※それぞれの年齢別に、限界最短睡眠時間、望ましい睡眠時間、限界最長睡眠時間の順に記述しています。

0~3ヶ月:
11~13h / 14~17h / 18~19h

4~11ヶ月:
10~11h / 12~15h / 16~18h

1~2才:
9~10h / 11~14h / 15~16h

3~5才:
8~9h / 10~13h / 14h

6~13才:
7~8h / 9~11h / 12h

14~17才:
7h / 8~10h / 11h

18~25才:
6h / 7~9h / 10~11h

26~64才:
6h / 7~9h / 10h

65才~:
5~6h / 7~8h / 9h

 実際に自分の睡眠が十分に足りているかどうかについては、日中の眠気を基準にすると良いです。授業中に眠くなるのであれば、おそらく睡眠不足の状態であるといってもよいでしょう。もし、慢性的に睡眠不足である、または、平日の睡眠時間と週末の睡眠時間に1時間以上の差があるという場合は、特に注意が必要です。

 睡眠が成長に多大な影響を与えることは周知の事実ですが、実際に日本人の若年者(5歳~18歳)の睡眠時間と脳(海馬)の大きさを調査したところ、平日の睡眠時間と脳の大きさに正の相関がありました。つまり、良く寝るほど脳が育つということです。また、スペインの調査では、平日と休日の睡眠に時間差がある社会的時差ボケが大きくなるにつれて、学業成績や、認知検査結果が低下することが明らかになりました。すなわち、平日の睡眠時間を休日に補うような生活を送るほど、脳の働きが悪くなるということです。

 睡眠障害の最も有効な予防法は、①毎日の生活で寝不足にならないように寝る時間を守らせること、②学校の休みの日に起きる時間を遅らせないこと、です。また、朝に光を浴びる、食事を一定の時間に食べるのも有効です。

 一見するとスモールステップに思えることも、継続することで「できなかったこと」が「できるようになる」のです。子供のころから規則正しい生活リズムを確保できる環境を整えるのが、親が子どもにしてあげられる最高のプレゼントでしょう。まずは、親が簡単に「できそうなこと」から始める、睡眠改善のスモールステップを踏み出してください。

(4)寝酒が必須だという方へ

さいち:これはですね、当サロンには「寝る前にアルコールを入れないと眠れない」と仰るお客様が意外と多くてですね、そのようなお客様には私から「なぜ寝酒がNGなのか」をご説明するのですが、癖になってしまっているようでやはりなかなか癖を直すのは難しいもので、皆様寝酒がやめられないみたいなんです。須賀先生からもこちらで、「なぜ寝酒がNGなのか」を、詳しくご説明頂けないでしょうか?

須賀:

 お酒は、昔から文化に溶け込み、人間関係を豊かにすることを通じて、社会の繁栄の一助を担ってきました。食事中の会話を和やかにしたり、料理を美味しくしたり、人の心を豊かにする特異な飲み物です。健全に愉しく嗜むお酒は、生活を豊かにするものとして愛されてきました。

 逆に、人間関係を狭く乏しくしてしまうお酒は不健康です。特に、独りで飲酒する頻度が高く、鎮痛、抗不安、催眠などの効果を期待して薬物として飲むお酒はこころの健康を失いやすくなります。飲むことで人間関係を豊かにする意義よりも、アルコールの薬理効果を得ることを目的にするようになったら、そのお酒は危険です。アルコールによる不安、抑うつ感、心身の痛み、入眠困難などを改善させることを期待した飲酒は、アルコールの依存状態です。

 アルコールは、体内で分解される過程で有害物質アセトアルデヒドを産生します。アセトアルデヒドは、交換神経を刺激し、脳を覚醒させます。アルコールを大量に摂取すると、夜中に目覚めるなどの睡眠の質を下げます。特に就寝ギリギリまで飲むお酒は、利尿作用によって夜中に目が覚め眠気が妨げられ、約4~5時間でアルコールの血中濃度が下がって覚醒し、再入眠が難しくなり、脱水症状で中途覚醒しやすくなります。
 睡眠中の成長ホルモンの分泌や免疫力も低下します。細胞にたまった老廃物の排出もうまくいかず、むくみや慢性疲労にもつながります。

 アルコールによる寝つきの効果も、飲み続けていくうちに次第に効かなくなってくるため、だんだんと飲酒量が増えてくるという悪循環に陥りやすくなります。こうした理由から、眠るためのアルコール(ナイトキャップ)はあまりおススメできません。

 アルコールと睡眠薬の併用については禁忌です。併用すると、お互いの作用を強化します。アルコールに関しては酩酊状態になりやすくなり、睡眠薬に関してはその作用も副作用も増強されてしまいます。

 お酒は「飲んでも呑まれるな」を肝に銘じて、健全に愉しく嗜む「大人の飲酒」をこころがけましょう。本物志向の「大人」だけに許される醍醐味として、お酒を特別に扱いたいものですね。

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次回(最終回)のテーマは、「美容」。
美容における睡眠の重要性について、須賀先生にご享受頂きます。

次回もお楽しみに!

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2月、3月のご予約は全て埋まりました。
4月のご予約空き状況は、4月17日(金)分までリリースさせて頂いております。

4月後半のご予約空き状況のリリースは、3月2日(月)~3日(火)を予定しております。

2月、3月のキャンセル枠をご希望されますお客様は、公式LINEの「ご予約空き状況」を、こまめにチェックして頂きます様、よろしくお願い申し上げます。

尚、3月12日(木)~15日(日)は、臨時休業を頂きます。
この期間に頂きましたご予約・お問い合わせにつきましては、3月16日(月)にお返事をさせて頂きます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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アルルネ鍼灸治療サロン
さいち

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