2020-09-09

さいちちゃん vs 絶対音感幼児教育の呪縛

皆様こんにちは!
アルルネ鍼灸治療サロンでございます。

久しぶりに普通のブログを書きます。

ホームページの「プロフィール」に、

◎趣味
レゴ
ライブ鑑賞
曲のコード進行分析

と書いているのですが、

レゴ(LEGO)に関しては、わたくし無類のレゴ好きでして、LEGOってどういう意味かご存じです?

デンマーク語で、「よく学び、よく遊べ」の略です。
素晴らしいじゃないですか。

大学3年の時、何でもよいから何かのプロダクツについてプレゼミ的にレポートを提出しろという課題があり、迷わずLEGOについてレポートを作成した、おもちゃ大好き女子大生さいちちゃん。

ライブ鑑賞とは、そのまんま、ライブに行くのが好きという事です。
書き始めると長くなりそうなので、これについては割愛します。

よくお客様から、

「‘曲のコード進行分析’って何ですか?」

と尋ねられるのですが、

そのまんま文字の通りです。
音楽を聴いて1人で、「おぉ、このサビはG-B-C-Gかぁ。」とコード進行を分析して、その後はひたすらピアノでそのコード進行を弾いて、ふむふむと納得して頭がスッキリする、という流れです。

(ちなみに、今ぱっと思いついたところで、エレファントカシマシの「昔の侍」の歌い出しの「G-B-C-G」を書きました。)

1曲フルコーラスのコード分析ができた時は、鍵盤で演奏して動画を撮影してYouTubeに上げて、高評価ボタンの数が増えていくのを夜中1人で見ながらほくそ笑む、というところまでが「曲のコード進行分析」という趣味の内容と定めています。

さいちの「曲のコード進行分析」人生は、今から約35年前の幼稚園時代にまで遡ります。

東京都は高円寺に、「木下音感教育」なる組織がありまして、木下さんというおじさんが編み出した幼児教育方法なのですが、子供に絶対音感を身につけさせる事で才能を育てていくとか、そんな感じのコンセプトを持って発展してきた協会ですね。

で、この「木下音感教育」に加盟している幼稚園が全国に40園ほどありまして、さいちは大阪府吹田市にある幼稚園に通っていたのですが、その幼稚園がたまたま、「木下音感教育」の加盟園だったわけです。

大人になってから母から聞いた話によれば、ピアノかバイオリンを習っていないとその幼稚園には入園できなかったんだそうで、今思い出すとなるほどなのですが、私はこの幼稚園に入園する半年くらい前になぜかピアノを習う事となり、ある日突然家にROLEXという韓国製のそこまでたいした事のないメーカーのピアノがやって来ました。

当時母娘の2人暮らしだったさいちちゃん、母はあまりお金がない中どうしても娘のためにピアノを買いたくて、100万円のピアノを半額の50万円まで値切って購入したそうです。
大人になって母からこれを聞かされた時、そんな安くなるかね、原価はいくらだよ、と思いました。

他の幼稚園生活がどういうものか知らないのですが、その通っていた幼稚園では、

・1時間目…ピアニカ
・2時間目…マリンバ
・3時間目…合唱
・4時間目…聴音

というような内容が2年間、毎日続きました。

私が幼稚園で1番好きだった時間は、聴音の時間でした。
幼稚園の先生がピアノで弾いた音を、五線譜に全音符で書き取った後、全音符を色鉛筆で塗るのですが、

ド…赤
レ…黄色
ミ…緑
ファ…オレンジ
ソ…水色
ラ…紫
シ…茶色

といった感じで、幼稚園で決められたルールに則って全音符に色を塗りました。

さらには「木下音感教育」では「ドレミかるた」なるものが存在し、ドレミファソラシの7枚のカードがあり、それぞれに絵柄がついていて、

・ド…赤いリボンを頭につけた白い犬が泥だらけになっているという絵柄
・レ…2匹の黄色い亀がレスリングをしている絵柄
・ミ…3羽の緑色の小鳥が歌いながら大縄跳びをしている絵柄
・ファ…謎のオレンジ色のロボットの絵柄
・ソ…水色の風船を持ったパンダの絵柄
・ラ…背の高い紫色のウサギが背の低い紫色のウサギに暴力をふるって、背の低い紫色のウサギが泣いている絵柄
・シ…1頭の茶色い鹿がしくしく泣いている絵柄

…「ラ」の絵柄、やばくないですか?

で、この「ドレミかるた」にはテーマソングがあり、幼稚園ではこのテーマソングを毎日歌わされるんですね。

タイトル「ドレミファなかよしさん」

ド ド ド ド
どろんこだ

レ レ レ レ
レスリング

ミ ミ ミ ミ
みんなで遊ぼう

ファ ファ ファ ファ
ファントマだ

ソ ソ ソ ソ
空まで飛ぼう

ラ ラ ラ ラ
乱暴はやめよう

シ シ シ シ
叱られた

ド ド ド ド ドレミファなかよしさん

**********

…やっぱり、「ラ」の歌詞、やばくないですか?(笑)

↑上記の歌を毎日歌ってきたわけで、世に広まっている「ドレミのうた」(ドーナツとかレモンとかみんなファイトで青い空のラッパが幸せよ~みたいなやつ)は、どうも私の中では大人になった今でも、しっくり来ません。
あの曲はそもそも、映画「サウンドオブミュージック」の挿入歌だったような気がするのですが、なぜ日本の童謡めいた自体に発展してしまったのでしょうか。

とにかく私の中で「ドレミ」に関する曲と言えば、どろんこの白い犬とか黄色い亀とか緑色の小鳥とか、そういう絵が頭に浮かびます。

そんなわけで今でも、キーがC(ハ長調…ドから始まる音階)の曲を聞くと、頭の中が赤1色に染まります。
キーがD(ニ長調…レから始まる音階)の曲を聞くと、頭の中は黄色い世界となります。

あと、マリンバの時間も好きでした。
マリンバの音の並びはピアノと同じなので分かりやすいという事もあったのですが、マリンバ室に数えきれないほどのマリンバがあって、子供で体がまだ小さい私にとっては、立派なマリンバたちがとにかくかっこよく見えました。
マリンバの女性の先生もいつも気さくで好きだったし、手で弾くピアノと違って、ツールを使って鍵盤を叩くという行為にも魅力を感じていました。

1番嫌いだった時間があり、それはカスタネットの時間でした。
子供の頃からとにかく集団行動が億劫だったさいちちゃん、園児集団で先生のピアノに合わせてひたすらカスタネットを叩き続けるのが、もう苦痛で苦痛で、

さらにはカスタネットの時間ときたら、最初はただボーッとつっ立って大げさにカスタネットを叩いてりゃやり過ごせていたのが、だんだんカスタネットを叩きながら謎のダンスをするという高度な授業に発展し、楽器を演奏するのは大好きだけど体を動かすのが心底嫌いだった私は、カスタネットの時間が来る度に、もう幼稚園をやめたくてやめたくて、物心がついて「人には合う合わない、がある」と認識したのは、おそらくあのカスタネットの地獄のような時間が人生最初のそれだと思います。

そして、合唱の時間ではまず、歌詞ではなく音階で歌メロをみんなで歌うんですね。
合奏の時間も、まずは演奏するメロディーラインを音階で歌うところから始まります。

ここで、合奏もしくは合唱で歌う時の課題曲のほとんどが、

ヘ長調、つまりキーがF(ファから始まる音階)

だった事が特徴的事項として思い出されます。
もちろん私は大人になった今でも、キーがFの曲を聞くと、頭の中がオレンジ色の世界になります。

私が考察するに、ヘ長調つまりキーがF(ファから始まる音階)は、幼児の耳に最も馴染む音階なのではなかろうかと。
そのせいで、今でも何かしらのJ-popを聞いた時に、その曲のキーがFだった場合、その曲がとても幼く子供っぽく聞こえてしまいます。
もしくは、童心に帰って郷愁の念に駆られる事もあります。

ヘ長調(キーがF/ファから始まる音階)は、

ファ ソ ラ シ♭ ド レ ミ ファ

といったように、「シ」に♭が付きます。
ピアノの鍵盤で言えば、シとドの間に存在する黒鍵が、「シ♭」です。

また、ヘ長調をメジャ ーキーからマイナーキーに変えると、イ短調(キーはAm/ラから始まる音階)になるのですが、これも、

ラ シ♭ ド レ ミ ファ ソ ラ

こちらも「シ」に♭がついて「シ♭」となりますね。

で、幼稚園ではこの「シ♭」の事を、「ベー(B)」と呼ぶように、躾けられていました。
ヘ長調(キーがF/ファから始まる音階)あるいは、イ短調(キーはAm/ラから始まる音階)でたくさん歌を歌わなければいけないわけで、「シ♭」がしょっちゅう登場するので、私たちは、

ファ ソ ラ ベ ド レ ミ ファ

ラ ベ ド レ ミ ファ ソ ラ

と覚えさせられていました。

例えば、いつだったかの合奏会とやらで、幼稚園で生まれて初めて音楽を他人に発表するという場に参加しなければいけなくなった事があったのですが、その時の課題曲が、

ビゼーの「アルルの女」

5才児にビゼーを演奏させるって、何かしらの洗脳を感じますが、ここでコントラバスマリンバを担当する事になったさいちちゃん。
まず、

♪レーラーレーミファーミファーレラーファソーラーベラソファミーラーソファミファ…

と、ひたすら音階で歌わされるのです。
楽典で言うところの、「ソルフェージュ」です。

なので、生まれて初めて触れたクラシック音楽はたぶんんこの、ビゼーの「アルルの女」です。

運動会で踊るお遊戯の課題曲が、モーツァルトの「トルコ行進曲」で、振り付けを覚える前にまず、

♪ファードファードファドファラドー
ベーソベーソベソミソドー…

と音階を覚えさせられました。
もはやお遊戯をさせたいのかソルフェージュをさせたいのか、運動会という体裁の洗脳です。

幼稚園を卒園して少し成長したさいちちゃん、小学生になってからの事、ある衝撃的な事実に遭遇します。

幼稚園時代、何だったかの発表会の課題曲として、ピアニカで「オブラディオブラダ」を演奏する事になり、いつものようにまずは、音階を覚えさせられた園児さいちちゃん。
(年中発表会だらけの幼稚園でした。)

♪ララララララソファ ミソーソー
ベーベベベベベラソファー…

小学校に上がって、家で初めてビートルズのアルバムを聞く事となるのですが、ここで初めて、「オブラディオブラダ」がビートルズの曲だという事を知り、さらにショックだったのが、

♪レレレレレレドベラドードー…

えぇぇぇぇっっっ、原曲の「オブラディオブラダ」って、ヘ長調(キーがF/ファから始まる音階)じゃなくて、

変ロ長調!!
ベー(シ♭)から始まる音階!
キーはB♭!!

ここで、幼稚園のFキー洗脳地獄に気付いたさいちちゃん。
そうだ、あの曲もこの曲も、あれもこれもあれもこれもヘ長調で歌わされた。

というわけで、何が言いたいかと言うと、まず「木下音感教育」によって、私はヘ長調浸けにされる人生となりました。
これは人生において多大なる影響となってしまっています。

そして「木下音感教育」の加盟園の園児たちは、毎年2月になると日比谷公会堂に集まって、自分の音楽特技を披露します。

毎年秋になると木下さんというおじさんが幼稚園にやって来て、園児1人1人の特技を見分けて、「この子は独唱~」「この子とこの子とこの子はカスタネット~」といった感じで、園児の披露演目を振り分けていきます。

で、私が振り分けられた演目はと言うと…
幼稚園の先生が1台のピアノの前に座っていて、さらにピアノの近くを先頭に園児たちが行列をなしています。
ピアノの近くには、高円寺からやって来たであろう木下というおじさん。

行列の順番に園児1人1人がピアノの近くまで行くと、幼稚園の先生がピアノの音を出します。

ピアノ「ドミソ~」

さ「ドミソです。」

ピアノ「ファラド~」

さ「ファラドです。」

木下というおじさん「この子は聴音だね。」

木下というおじさんは、お子様さいちに聴音能力を見出しました。
そして日比谷公会堂の舞台で、聴音の能力を披露する事となったお子様さいちちゃん。

ステージに巨大な五線譜が用意されていて、スタッフさんが弾いたピアノの音を、ひたすら油性マジックで五線譜に書き留めていく、という演目なのですが、今これを書いて気付いてしまいました。

これを見て、観客の誰が喜ぶんだろう。
なんか、気付いてはいけない事を約35年越しに気付いた気がする…

そもそも、「木下音感教育」を2年受けて、私に今絶対音感が身についたのかと言えば、全くの相対音感で、

「ドレミファソラシド」のメロディーで、「ドシラソファミレド」が歌える人は絶対音感がないと言われているのですが、

私、普通に「ドレミファソラシド」のメロディーで、「ドシラソファミレド」が歌えますし、救急車のサイレンも救急車のサイレンとしか認識しませんし、学校の試験中みんなのシャーペンのコツコツという音は、コツコツという音にしか感じません。
つまり、「木下音感教育」の狙いは外れました。

そもそも、子供に絶対音感を身につけさせて何の得になるのかが、未だ理解できません。
木下というおじさんは子供たちに何をさせたかったのでしょうか、もう約35年前の時点で幼稚園児のさいちにはそこそこのおじさんに見えていたので、35年後の現在は、ご健在かどうか知りませんが、まぁ今更調べる気にはならないので、今回は調べません。
今もご健勝でいらっしゃる事を願っております。

ただ、絶対音感が身につかなかった私には、「絶対音感」という能力と引き換えに、「趣味」というものが備わりました。
結果的に人生に多大なる影響を与えてくれた、木下というおじさん。

私は、何か1つ目標や希望があるとして、その目標や希望に直結しなさそうな事柄を、「意味がない」と決めつけるような人が嫌いです。

とりあえず目の前に出された課題をこなしてこなして、後々になって、「あぁ、あの時のあの作業って今のこの時のためにやっていたのかも。」と感じるのが好きなので、何事も今やっている事はすべて、今というより将来的に何か「やっててよかったー!」と思える日を楽しみにしながら作業をこなしている、というスタンスで生活しています。

木下というおじさんは子供に絶対音感を身につけさせようとしたけれど、私が得たのは絶対音感ではなく、趣味です。
それでよかったと思っている。

趣味がちゃんとあるって、なんて素晴らしいのでしょう。
自分を肯定してあげられる時間ですからね。

幼稚園に通っていた頃、母と2人暮らしだった家で、母はよくカセットテープで洋楽(オールディーズ)を流していました。

母は韓国人で20才の時に1人で来日してきたのですが、その際韓国の露店で大量のカセットテープを買って、日本に持ち込み、私が産まれた後もそのカセットテープをずっと聞いて家事をしていました。

母は、パットブーンやポールアンカや後期のプレスリーなど、声が深くて低い男性ボーカルの曲をよく好んで聞いていました。
ただ、幼稚園児時代の私はそういうボーカルの曲はあまり好きではありませんでした。厳かな声がお子様さいちには怖く感じました。

そんな中、母のカセットテープに収録されている曲で、コレが来てくれるとなぜか心身ともに落ち着く~と感じる大好きな曲が1つだけありました。

母に聞くと、それは「スキーターデイビスの『この世の果てまで』よ。」と母は子供のさいちに教えてくれました。

私が生まれて初めて耳コピをしてピアノで弾いたのが、このスキーター・デイビスの「この世の果てまで」(The end of the world)です。

原曲キーはB♭で後半は移調して、Bに変わるのですが、幼稚園にて絶賛洗脳中だった子供さいちはもちろんこれを、Fキーに変換してピアノで弾いていました。
どんな曲でもヘ長調に変えてしまうという魔法にかけられたさいちちゃん…

それもこれも、謎の「木下音感教育」の呪縛によるものですが、まぁよしとしよう。

とにかく、スキーター・デイビスの「この世の果てまで」という曲が素晴らしい、朝起きて聞いても素晴らしい、夜眠りに就く前に聞いても素晴らしい。
歌詞も素敵、英語の歌詞だけど中1レベルの英語しか使っていない分かりやすさが何より素晴らしい。

気になる方は、適当にYouTubeで調べてみてね。

「木下音感教育」の木下というおじさんの謎の魔法により、小学生になっても、テレビで流れたCMや好きなJ-popの曲はとりあえず、ピアノで弾いてコード進行はこうじゃないかああじゃないか、という事を黙々とやり続けるようになり、1人でニヤニヤしてスッキリしたらもうその曲に興味をなくしてまた次の曲に挑む、という子供時代を送ってきたのが、

今、趣味として残っているという経緯です。
ご理解頂けたでしょうか?
長くなってすみません。

本当の本当に、鍼灸マッサージと関係のない話をしてしまいました。

これからお客様にまた、「ホームページに書いていた、‘曲のコード進行分析’って何ですか?」と尋ねられた時には、

「こないだブログ書いたんで、読んで下さい。」

と、このブログを紹介します。
そう、今日はそのためにこれを書いたんだわ。

いつか、このブログを書いておいてよかった、という日が来るはずです。

ほら、「私も子供の頃、木下というおじさんからヘ長調の魔法をかけられました!」なんて仲間がお客様としてお越しになるかもしれないじゃないですか。

私、奇跡を待ちます。

以上、来週から普通の治療院に戻ります。

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11月以降のご予約空き情報につきましては、現在調整中です。
もうしばらくお待ち下さいませ。

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