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By arlune2021年1月12日In ブログ

鍼灸師向け完全攻略②
大人になってからピアノを習い始めた人たちのトリセツ

皆様こんにちは!
アルルネ鍼灸治療サロンでございます。

【鍼灸師向け完全攻略② 大人になってからピアノを習い始めた人たちのトリセツ】

本日は、
第2回、大人になってからピアノを習い始めた人たち編です!

当サロンには、バレエ、弓道、お茶、華道、バイオリン、フルートなど、大人になってから様々な習い事を始めた方々がたくさんお越しになります。
その中でも特に多いのが、「大人になってからピアノを習い始めた人たち」で、ピアノによるお体のお悩みを訴えるお客様がたくさんいらっしゃいます。

【鍼灸師向け完全攻略】は、
完全に鍼灸師向けにガンガン書いた内容となります。

先月、①ドラマー編を公開したところ、意外にも鍼灸師さんたちよりもドラマーさんたちからたくさんコメントを頂きまして、

「何を言っているのか、サッパリ分からない」

とな。
そうそう、ドラマーさんたちからはマニアック過ぎると感じて頂き、鍼灸師さんたちには治療のご参考にして頂くのが狙いでしたので、100%狙い通りの結果です、ウフフフ。

というわけで、引き続き楽器による内容となりますが、前回のドラマー編はわりとガッツリと長い年月をかけてドラムを叩いてきた方々に対する治療について書かせて頂きましたが、今回のピアニスト編は、子供の頃からピアノ教育を受けてきた人ではなく、あくまで大人になってからピアノを習い始めたというところがポイントなんですね。

■主訴

患者様は、「腕の痛み、筋肉痛」や「手首の腱鞘炎」を訴えます。

ところが、子供の頃から長くピアノを弾いてきた人たちは意外にも、上記のような訴えをほとんどされません。
(プロピアニストで1日のほとんどをピアノ演奏で過ごすような、上肢全体を明らかに酷使する人は別ですが。)

私は子供の頃に10年間ピアノを習って、現在も毎日ちょいちょい合間を見つけて鍵盤を叩きますが、左右ともに特に上肢全体を通して痛みを感じる時は全くありません。
私と同じような環境のお客様は、私と同じく上肢痛を感じていないようです。

ピアノによる上肢痛を訴える方は、大人になってからピアノを習い始めた、あるいは極端に1日のほとんどをピアノ演奏で過ごしているかのどちらかと考察できます。

■特長

先日、実際にこんなケースがございました。

「小学生の息子と一緒にピアノを習い始めて、私の方がたくさん練習しているのに、息子は楽々とパッセージをクリアしていて、でも私はパッセージがうまくできない。ピアノの弾き方にコツはありますか?」

「ハノンのアルペジオの練習をすると、低い音から高い音に移動するにつれて、指と一緒に上半身を持っていかれてしまう。」

「親指の上を他の指が通り抜ける時、親指が痛い。」

お客様たちは両手でパッセージやアルペジオをする際、手首だけではなく腕全体を通して肩の方まで、つまり上肢全体が移動してしまうと仰るのです。
両方の上肢が移動するという事は、要するに結果的に上半身全体を移動させないと長距離のパッセージやアルペジオができないという事です。

それで念のため、幼少期から長期間ピアノを習っていた経験のあるお客様数名に、前述のような悩みを現在お持ちかどうか尋ねたところ、満場一致で全員から、

「え?なんで?なんで上半身が移動するの?」

と、悩みの内容が全く理解できないという反応を頂きました。
本来は、固定した椅子に座って演奏しているとして、上半身全体を左右に移動しなくても、手首のみで長距離のパッセージやアルペジオを行う事が可能なはずです。

「パッセージやアルペジオがうまくできない」原因は、才能(=センス)や飲み込みの早さ(=脳の柔軟性)ではなく、全く別のところに単純な理由がある事はすぐに分かりました。

「大人になってからピアノを習い始めた人たち」に関わらず、大人になると確実に体全体の筋肉が硬くなり、それによって関節の可動域も狭くなり、子供の時よりも肩まわりや手首を自由に柔軟に動かす事が難しくなります。
手首の関節可動域が狭くなると、手首の運動が独立して行えなくなり、前腕全体もしくは上腕も含めた上肢全体の力を利用しないと、本来の手首と指の運動が不可能になってきます。

デスクワークでパソコン作業を1日長時間続けている人は特に、首肩部だけでなく、大胸筋外縁が見た目で把握できるくらいにシャープになっています。
私はこれを「筋肉のエッジがシャープ」とファッショナブルに呼んでいますが、大胸筋のエッジがシャープな人は確実に腕橈骨筋に過緊張が起こっていて、回内・回外運動のどちらかがしづらくなっています。

回内・回外ができなくなれば当然、母指の上を四指が通り抜けたり母指が四指の下をくぐり抜ける動作はできません。
また、母指の上を四指が通り抜ける時も母指が四指の下をくぐり抜ける時も、母指関節はIp・MPともに屈曲し、それとともに橈側手根屈筋が緊張します。

また、手根骨(近位列母指側から、舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨/遠位列母指側から、大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨…舟に乗って月を見て三つ豆食べたら大人も子供も頭がユニコーン、と覚えましょう。)どうしが詰まっています。

手根骨どうしが詰まっていると当然、手首の関節運動は難しくなります。

手根骨8つの骨の語呂を出したついでに、指関節の簡単な覚え方も書いておきますが、これはマジで一発で覚えます。
いいですか?死ぬまで2度と忘れられないので、覚悟して下さいね?

手背面にて、示指~合谷を通って母指までの、「DIP→PIP→MP→IP」の順番で行きますよ?

「でっかいパイパイもみもみいっぱい」

です。
はい、もうこれで呪いにかかりましたね。国家試験に出ますように。

え?まだエロ語呂を知りたいですって?
では、またの機会にね!
まだまだたーくさん、たーくさん、あるのでね(にやり)

特に、第1脳神経~第12脳神経の名前の覚え方が、天才的に頭おかしいんじゃないかってくらい、エロいんですわ!
で、それは、まーたの機会に~!

話を戻します。
大人になってからピアノを習い始めた人たちは、大人になって全身を通して筋肉が硬くなり上肢全体の関節可動域が狭くなってからピアノの操作方法を体に覚えさせなければならないのですが、体が柔軟な子供の頃からピアノ操作に慣れた状態で成長した大人たちの「ピアノを演奏する事を覚えている筋肉」とは、勝手が違うのです。

子供は体が柔軟なので手首の関節可動域が広く、パッセージやアルペジオが簡単にできる、簡単なうちにピアノ操作を覚えた人は大人になって全身の筋肉が硬くなり関節可動域が狭くなってもある程度ピアノ操作ができる、という事です。

■治療

まずは、手根骨の前面と後面を縦方向・横方向にストレッチした後、手根骨8つを引き離します。
これだけで、わりと手首関節はかなり可動域が広くなります。

必須のツボは「陽池」で、陽池を近位方向に1寸程度単刺するのですが、最初にいきなり陽池から攻めるのではなく、

①曲池を遠位方向に1寸単刺
②温溜を近位方向に1寸単刺
③陽谿を近位方向に1寸単刺
④合谷を近位方向に5分単刺

まず、上記の①~④を順番に行います。
つまり、大腸経の単刺で母指ルートを緩めた後に陽池を攻めると、治療がスムーズに進みます。

その後、「三陽絡」と「清冷淵」の単刺で、小指ルートの緩和を行います。

あとは、肩関節周囲と大胸筋周囲の鍼治療を行えばOK!
所要時間は、左右合わせて約20分程度でしょう。
美容鍼でお顔に鍼を置いている間にできます。

さぁ、治療後はサロン内に設置している鍵盤を試し弾きして頂きましょう。
確実にハノンがスムーズに演奏しやすくなっているはずです。

ドミファソラソファミレファソラシラソファミソラシドシラソファラシドレドシラソシドレミレドシラドレミファミレドシレミファソファミレド~~~

おめでとうございます!
やったね!
これでもうどんな「大人になってからピアノを習い始めた人」が来ても、あなたの治療院はピアニストを攻略できるはず!

かかってこーーーーーーーーーーーーーーいぃっっ!!

今後の治療に、ぜひご参考にしてみて下さいね!

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